5月24日、中国河南省・鄭州(ていしゅう)市は、同市内で活動するメタバース企業支援を目的とした政策草案を発表しました。草案では、同市内への本社移転に最大で2億元(約40億円、2023年6月5日時点)の援助を実施する旨が明らかにされています。
市内のユースケース開発でも約1億円を援助
発表されたメタバース企業支援のための草案は、「鄭州メタバース産業発展実施計画(2023-2025)」という文書名で公開されており、鄭州市はWebサイト上で市民からの意見を募っています。
本草案で“メタバース産業”として位置付けられている事業分野は下記の2つです。
1.VR、AR、デジタルツイン、HCI(ヒューマ・コンピュータ・インタラクション)技術、BMI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)技術など、最新テクノロジーに焦点を当てた研究開発事業
2.教育、娯楽、商業など、現実産業におけるバーチャル空間技術を活用した事業
草案によれば、鄭州市は「該当事業会社が本社を同市内に移転する際、最大で2億元(約40億円)を起業資金として援助し、特典として家賃補助も行う」としています。
また同市は、本社所在地にかかわらず、同市内でメタバース産業のユースケース開発に取り組む企業には、市が実行可能と認定したプロジェクト1件につき最大500万元(約9,890万円)の資金提供を受ける機会を設けています。なお本記事執筆時点で、資金提供の具体的な日程は明らかにされていません。
年間売上4兆円の産業成長予測を明らかに
鄭州市は、資金援助方針の発表に加え、同市におけるメタバース産業の長期的なビジョンも示しています。
同市は「2025年末までに、鄭州市のメタバース関連産業は年間売上高2,000億元(約3兆9,550億円)を突破する」と予測。まずは100億元(約1,970億円)の専用基金を設立し、追って500億元(約9,890億円)を追加調達する予定を明らかにしています。なお、この追加資金は他の政府機関や投資会社と協力して確保するものとしています。
また、同市内のメタバース産業関連企業が中国の主要な証券取引所に上場する際には、別途、現金による報酬を提供する意向です。
中国国内のメタバース投資は加熱
中国では、メタバース産業に大きな期待が寄せられています。米ロイターは、「2022年11月に、中国当局はVR事業に特化した初の行動計画を発表した」と報じています。
また、中国政府に先んじて2022年7月に上海市が「5カ年開発計画」にメタバース事業を盛り込み、同年8月に北京市も「メタバースの革新的発展のための行動計画」を公表。同じく12月には、浙江(せっこう)省もメタバース発展計画を策定しています。
一方で、鄭州市が示した草案は目標値の設定だけではなく、具体的な資金援助額を明らかにしており、これまでの中国国内のメタバース産業計画とは一線を画しています。今後、他の都市への行動計画への影響も含め、中国のメタバース産業投資に注目が集まります。
(参考)鄭州市、Cointelegraph
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