Metaは、日本時間6月2日から開催されたMeta Quest Gaming Showcaseにて同社の一体型VRヘッドセットQuest向けのタイトルを複数発表しました。
その中でもMetaが特に力を入れているタイトルの1つが北欧神話をテーマにした大作VRアクションRPG「Asgard’s Wrath 2」です。本記事では、Metaの担当者であるゲームプロデューサーのマリ・カイル氏や開発チームの言葉を引用しながら、この超大作の内容を紹介していきます。
”超大作“がで注目を集めた前作
2というタイトルの通り、前作である第一作は2019年にOculus Rift独占タイトルとして発売。当時は100GBを越すゲームサイズと総プレイ時間40時間以上というプレイボリュームの多さが話題となりました。
今でこそ「Half-life:Alyx」「Vertigo2」など大ボリュームのVRゲームがそれなりの数登場していますが、当時は2,3時間でクリアというゲームも多く、コンシューマーゲームとも全く引けをとらない”やりごたえ”には発売前から注目が集まりました。
ストーリーとしては、プレイヤーは神になり、北欧神話の神の一人であるロキとともに神々の運命に立ち向かっていく…というもの。ミッション形式で進むストーリー、ダンジョンを始めとする多様な舞台、神でありながら人に憑依して一人称視点の謎解きや戦闘、神々のド派手な力を駆使したボス戦、動物を仲間にするコンパニオンシステムなど、要素の多いゲームらしいゲームとして登場しました。
そんな”超大作”だった初代「Asgard’s Wrath」でしたが、PCVRそれもSteamでは配信せずMeta(当時はFacebook)が運営するストアでしか配信されなかったため、対応しているVRヘッドセットはOculus Rift、Oculus Rift Sのみというかなり限定的な配信でした。いまでこそQuest 2をPCに接続するMeta Quest Linkで遊ぶことができますが、それでもSteamが主流な状況は変わっていません。
制作を手がけたSanzaru Gamesは「Asgard’s Wrath」発売後の2020年にMetaにより買収。Metaの傘下で何を作っていたのかと思ったら、まさにこの第2作だったようです。
続編でボリュームはついに無限に
新たな神話の王国である古代エジプトを舞台に、駆け出しの神からコズミックズガーディアンに昇格したプレイヤーは、Lokiの邪悪な計画を阻止するために新しい力を使って追跡することになります。
2作目となる「Asgard’s Wrath 2」の舞台はエジプト。前回からの続きではありながら、「前作を遊んでいないユーザーでも安心して楽しんでほしい」(マリ・カイル氏)。ケーブルのないQuestを前提に作ったことで、ケーブルを気にしなくていい理想的なVRゲームの体験が実現したようです。
最も気になる本作のボリュームは…「クリアまで60時間以上かかる」と返事が返ってきた。前作40時間をさらに上回るボリュームを実現しているだけでなく、さらに豊富なサイドクエストも用意しているようです。「ただのサイドクエストだけでなく、登場するキャラクターごとのサイドストーリーを楽しめる」とのことで、サイドストーリーまで追っていたら、100時間以上というプレイ時間もありうるのかもしれません。
そして、今回の目玉となるのが……本編とは別にランダム生成されるエクストラダンジョン「アン
チャーテッドリフト」。いわゆるローグライトのゲームのように、何度も深く潜っていくことができ、ランキングで世界中のプレイヤーと競うこともできるダンジョンです。序盤から解放され、獲得したアイテム類は持ち帰ってメインストーリーで使うことができます。
なお、ボリュームのあるVRゲームと言うと良くも悪くも捉えられるかもしれません。家庭用ゲーム機と比べてもVRヘッドセットを装着してのゲームプレイは疲れやすく、長時間のプレイに向かないこともあります。「チェックポイントを多く用意しているので、20分くらいでやめることもできる」(カイル氏)とのこと。超ボリュームとVRの相性に対する挑戦とも言えます。
より複雑性が増してやりごたえを追求した戦闘システム
「Asgard’s Wrath 2」の特徴はそのボリュームだけではありません。ゲームの中核となる戦闘シーンも、前作から大幅にアップデートしています。
敵の攻撃をパリィで防いでから攻撃するといったワンパターンではなく、ボディブローなどの新しいアクション、新しい武器を使って、本格的なアクションが楽しめる、とのこと。そしてRPGらしくスキルツリーを実装しており、スキルを自分好みの順番に習得して戦闘のバリエーションを増やしていくことができます。
また、Quest 2で実現できる最も美麗なグラフィックも目指しているとのこと。そのクオリティにも注目したいところです。
他のプレイヤーが味方にも敵にもなる間接的なマルチプレイ
「Asgard’s Wrath 2」は基本的にはシングルプレイ(一人用)のVRゲームです。マルチプレイ要素に関しては搭載されていないものの、無限ダンジョンであるアンチャーテッドリフトでは、他のプレイヤーと関わるユニークな機能が備わっています。
ダンジョンで死亡すると、プレイヤーは「あなたのヒーローをDivine Soul(神の魂)として送り出し、他のプレイヤーのアドベンチャーを自動的に助ける」もしくは、「Dread Soul(恐怖の魂)として送り出し、他のプレイヤーに危害を加える」のどちらかを選ぶことができるます。どちらを選んでも、参加すると追加の戦利品や資源がもらえるようになっています。
他のプレイヤーと一緒に遊ぶ対戦ではなく、他のプレイヤーをAIが動かすことでゲームプレイに登場するという、まるで「他のプレイヤーの魂と遊ぶ」間接的なマルチプレイのようです。フレンドなど知り合いのキャラクターが登場したら盛り上がりそうな機能です。
他にもアシスタントのように”従者”として一緒に戦う動物たちとの関係も本作ではアップデート。「イチ押しポイント」(カイル氏)とチームも語るくらいで、公開された動画を見ると、まさに「ゼルダの伝説」などで馬に乗っているときの感覚をVRで体験するようなハイスピードな体験が楽しめるようです(酔いませんように……!)。
飽くなき挑戦が超大作を生んだ
「Asgard’s Wrath 2」について事前取材を行った際も、話していて伝わってきたのはチームのワクワクしている気持ちです。「遊びだしたらつい、3、4時間続けて遊んでしまっている」(カイル氏)と言うように作っている制作側が楽しみながら、その集大成となる作品を送り出そうとしています。
そして、開発チームを率いたマシュー・クレイマー氏はこうも言っています。
私たちが作るすべてのタイトルで、限界を超えたいと考えています。機能面でも、忠実なグラフィックの再現度でも、規模であっても、このプラットフォームでまだみなさんが見たことのないものを作りたいのです。新しいプロジェクトが始まると、私たちはその重要な軸を確認します。次のタイトルでは何を追求するのか?それは私たちが目指しているハードウェアとどのようにマッチするのか?ヘッドセットを装
着したときに、『こんなの作ったなんて信じられない』と、みなさんを驚かせたいんです。『Meta Quest 2でこれほど忠実なタイトルは見たことがない』と(Sanzaru Games スタジオクリエイティブディレクター マシュー・クレイマー氏)
VRゲームの超大作への挑戦を続ける開発者が送り出す自信作であることがビシバシと伝わってくる「Asgard’s Wrath 2」。
日本のユーザーとして気になるのは、言語対応ですが前作の時点で「完全日本語対応」。字幕だけでなく、主要キャラクターはフルボイスで吹き替えられていました。「2でも日本語には対応します」(カイル氏)とのこと。発売を心待ちにしたいところです。
タイトル |
Asgard’s Wrath 2 |
発売・開発元 |
Sanzaru Games |
対応ヘッドセット |
Meta Quest 3、 Meta Quest 2、Meta Quest Pro |
プレイ人数 |
1人 |
価格(税込) |
5,990円 |
発売日 |
2023年冬 |
ストアページ |
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